こんにちは!
LANケーブルを見ていると「Cat.○対応」などと書かれていることがありますが、一体これは何を表しているのでしょうか。今回の記事ではそんなLANケーブルのカテゴリについて解説していきます。
LANケーブルのカテゴリとは?
LANケーブルのカテゴリは、ケーブルの性能をわかりやすく示したものです。
カテゴリを見ればそのケーブルで通信したときにどれくらいの速度まで出せるのかを知ることができます。
速度の目安
LANケーブルの特徴を解説する上でLANケーブルが出せる速度についても見ていきますが、その前にその速度がどのくらいなのかをわかりやすくするために、速度の目安について解説します。
100Mbps … 十分使える、だが物足りないことも
100Mbpsは、パソコンやスマートフォンを使う上で不便だと感じることはあまりない速度です。ゲームや4K動画の視聴も問題なくすることができます。
しかし、10GBを超えるようなゲームデータや、サイズの大きなデータを頻繁にダウンロードするような方には少し物足りない速度だと感じるかもしれません。
1Gbps … 高速
光回線の速度は最大1Gbps(実測100〜500Mbps程度)であることが多いため、インターネットを利用する通信では1Gbpsを超えることはまずありません。
そのため、1Gbpsに対応したケーブルであれば「通信の遅さはケーブルが原因」ということはなくなるでしょう。
2.5Gbps、5Gbps、10Gbps … 対応した機器を用意しないと出ない
2.5Gbps以上は、その通信速度に対応した機器を揃える必要があります。ルーターやパソコンなど、通信に必要となるすべての機器を高速通信に対応したものにしなければならないため、導入コストやハードルは高いです。
また、インターネットを1Gbpsを超える速度で利用したい場合は1Gbpsよりも速い速度で通信できるプランに加入する必要があります。
「ひたすら速度を求めたい」「設定などは自分でできる」という方なら価値がありますが、そうでない方にとっては必要のない速度になります。
10Gbpsよりも速い速度に対応した機器は家庭用にはないため、現時点では10Gbpsが最速だと考えていいでしょう。
主要なカテゴリの紹介
それではLANケーブルの主要なカテゴリについて解説していきます。
カテゴリ5
カテゴリ5のLANケーブルは100Mbpsで通信することができるケーブルです。
しかし、ケーブルによっては100Mbps以上で通信することができ、1Gbps近くの速度が出ることもあります。
カテゴリ5e
カテゴリ5eはカテゴリ5を改良したもので、長さ100mまで2.5Gbpsで通信することができます。
2.5Gbps以上も出ないわけではなく、ケーブルによっては10Gbps付近の速度が出ることがあります。
カテゴリ6
カテゴリ6では、長さ100mまで5Gbps、55mまで10Gbpsで通信することができます。
10Gbpsが出せる距離に制限があるとはいえ、一般家庭で55mものケーブルを使うことはなかなか無いため、基本的には10Gbpsが出ると言えるでしょう。
カテゴリ6A
カテゴリ6Aはカテゴリ6を改良したもので、長さ100mまで10Gbpsで通信することができます。
カテゴリ6AにはUTPタイプとSTPタイプがありますが、STPタイプは特殊な設置方法でないと真価を発揮できないため、UTPタイプを選びましょう。
「Cat.7」「Cat.8」に注意!
カテゴリ6Aより高速であることを謳った「Cat.7」や「Cat.8」のケーブルが売られていることがありますが、これらの商品を買う必要はありません。
Cat.7やCat.8という規格自体は存在しますが、売られているケーブルはそれらの規格に従っていないことがほとんどで、値段も高く、ケーブルも太くて取り回しが悪いためおすすめしません。
また、カテゴリ6A以上の性能となると100m以上の範囲で10Gbps通信をするとか、10Gbpsを超える通信速度で通信をするとかでないと性能が発揮できませんが、一般家庭においてそのような環境はほぼ100%ないため、カテゴリ6Aで十分でしょう。
おすすめのカテゴリ
とりあえずLANケーブルがほしい
カテゴリ5eまたはカテゴリ6またはカテゴリ6Aがおすすめです。
光回線では1Gbpsが主流な速度ですし、パソコンに搭載されているLANポートやNASなども1Gbpsまで対応したものが多いです。そのため、1Gbps以上の速度が出れば十分ということになります。
1Gbpsはカテゴリ5e以上なら問題なく通信できますので、カテゴリ5e以上ならどのケーブルでも問題ありません。
2024年現在、カテゴリ5以下はあまり売られていないので、基本的にはどのケーブルを買っても大丈夫、ということになります。カテゴリ5eは性能が悪そうに見えるかもしれませんが、通常の使用方法なら全く問題ありません。
現在、あるいは将来的に10G環境を整えたい方
カテゴリ6またはカテゴリ6Aがおすすめです。
カテゴリ6とカテゴリ6Aは10Gbpsで通信することが可能なため、10G環境を整えたい場合はカテゴリ6とカテゴリ6Aのどちらかを選びましょう。
ただし、10Gbps環境は、今紹介しているLANケーブルによく使われる端子のRJ45ではなく、SFP+という端子で配線することもあります。SFP+で構築することによって機器の価格や消費電力などを抑えられることがあるので、10G環境を構築したい方はそちらについても調べてみてください。
まとめ
今回の記事ではLANのカテゴリについて解説しました。
ほとんどの方にとってカテゴリ5eで十分である、ということに驚いた方もいるのではないでしょうか。
値段が高いほど性能は良くなりますが、「自分に必要なのはどの程度のものなのか」ということを考えてLANケーブルを選んでいきたいですね。