こんにちは!
楽器の演奏を録音する方法には、マイクなどで音を録音する方法と、MIDIで演奏情報を録音する方法があります。
どちらもよく使われる方法ですが、これらの間にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回の記事では、オーディオ録音とMIDI録音の特徴と、それぞれのメリットとデメリットについて見ていきます。
オーディオ録音について
まずマイクなどで音を録音する、オーディオ録音について見ていきます。
この方法で録音する場合は、音の情報をデジタルに変換して記録します。
マイクの位置によっては、生演奏の空気感や演奏者の息遣いなども録音されるため、臨場感たっぷりの状態を保存することができます。
音質によっても変わりますが、データ量は大きくなります。
MIDI録音について
先ほどの音の録音では音の情報をそのまま記録したのに対して、MIDI録音は「演奏情報」を記録します。
演奏情報とは、「いつどの強さで鍵盤が押されたか」などを表す数値で、実際の楽器の音は保存されません。演奏情報を使って音にするには、別でソフト音源などが必要になります。
音で録音するメリット
演奏の空気感も保存される
音で録音した場合、小さな音や演奏者の息遣いなど、演奏の空気感も記録することができます。
どんな音でも録音できる
音で録音する場合、人の声、楽器の音はもちろん、ものが当たる音や自然の音なども記録することができます。
音で録音するデメリット
修正は難しい
音で録音した場合、音を修正するのは難しくなります。
微調整程度ならプラグインなどを使うことで可能ですが、大きな修正を使うことは難しいです。そのような修正がある場合には再録音することになります。
データ量が大きい
音で録音する場合、音質にもよりますがデータ量が大きくなります。
高音質で録音したデータをたくさん使う場合にはストレージの容量を気にする必要が出てくるかもしれません。
MIDI録音のメリット
修正がかんたんにできる
MIDI録音の場合、記録されているのは音ではなく演奏情報なので、修正を簡単にすることができます。
音の長さや高さ、強さはもちろん、楽器を変えることもできます。
音をあとから微調整したい場合にとても便利です。
データ量が少ない
MIDI録音は「いつ鍵盤を押したか」「いつ離したか」などの情報を保存していますが、これは音を保存するよりもデータ量が圧倒的に少なくなります。
MIDI録音のデメリット
再生に音源が必要
MIDIで録音した場合、再生に音源が必要になります。
MIDIを録音した人が想定した音源と再生する人が用意する音源が同じとは限らないため、「音楽を聞く」という目的には向いていません。MIDIデータを誰かと共有したとしても、MIDIデータを受け取った人がどのような音源で再生するか分からないため、意図した音が伝わることは少ないです。
MIDI録音は音楽を聞きたいときではなく、音楽を制作するときに使うと真価を発揮することができます。
表現力が少なめ
MIDI録音はオーディオ録音と比べると記録できることが少なくなっているため、特殊な奏法は表現できない場合があります。
ソフト音源も進化してきてはいますが、実際に楽器を演奏することと比べるとできないこともあります。
どちらが良いのか?
さて、ここまでオーディオ録音とMIDI録音の概要とそれぞれのメリットとデメリットについて見てきましたが、どのような場合にどちらを使えばよいのでしょうか。
オーディオ録音が向いている場面
オーディオ録音は演奏の空気感まで記録できるというメリットや、どんな音でも記録できるというメリットがありました。そのため、生演奏をそのまま記録しておきたいなどに向いています。
MIDI録音が向いている場面
MIDI録音は修正が容易でデータ量が少ないというメリットがありました。そのため、楽曲制作で構想を考えるときなどに向いています。
まとめ
今回は、音を記録するオーディオ録音と、演奏情報を記録するMIDI録音の概要や、それぞれのメリット・デメリットについて見てきました。
オーディオ録音は、録音する際の空気感まで保存することができるため、生演奏を録音したい場合などに向いていました。その一方でMIDI録音は演奏情報のみ保存するため、音をあとから微調整したい場合や音源を変更する場合などに向いていました。
どちらの録音方法が良いのかは、どのような音を求めているかによって変わってきます。空気感を大事にしたい場合もあれば、音を微調整して理想に近づけていく場合もあります。
音楽のスタイルや楽器などによって、オーディオ録音とMIDI録音を使い分けていきましょう!